天塩カヌー

天塩カヌー

2013年10月21日月曜日

チャリまわし













久々の自転車積んでの川下り。

「ひとりで川下るときって、ゴールしたらどうするんですか??」
ってよく聞かれる。
電車、バス、歩き、etc、、、その時々、いろんなアイデアをつかって車を回送するワケなんだが。。。

いまは、カミサンとチビが回送サポートしてくれるんで、
とっても楽チンになったが、
ひとりの頃はよく自転車をつかった。
ひとりで気ままに、時にビビリながら川をくだって、
ゴールしたらチリンチリン♪チャリの旅。
こんなスタイルで北海道中の川を渡り歩いた。

ひっくり返って自転車沈めてしまう可能性が低い川だと、
自転車も積んで川下っちゃう。
あんまりオススメはしませんが。。。

どこからスタートしても、どこでゴールしても自由!

ゴールで誰かが「おかえりー!」って待っててくれるのも、
ホッとして嬉しいけど、
たまにはこういう風来坊みたいな川下りもいいもんだ!

2013年10月6日日曜日

天塩川の音のおはなし

むた・むた・むた・・・
目をつぶって、天塩川を思い描いたとき、
聞こえてくる川の流れは、むた・むた・むた・・・。














むかし、北海道でいちばん有名な登山用品店で、
ワゴンに入って200円ほどで投げ売られていたこの本。
本棚に置かれたり、ダンボールにしまわれたり、行方不明になったりしながら、
引越しをへて今はトイレの隅にちょこんと置かれています。
まさか、この本の舞台に住むことになるとは思いませんでした。

「北の川をめぐる九つの物語」
作者が幼いころから暮らした北北海道の川と北に生きる人々の暮らしの物語。
こんなマニアックでメルヘンな世界、
よっぽど川か魚か魚釣りが好きな人しか共感できないじゃないっすか!?
っていう内容だけど、そのどれかにヒットする人、ましてやそのどれもがヒットする僕には、
なんともリアルで心にスルスルっと入ってくる本なのです。

ヤマメを釣ったあの川、サクラマスが群れるあの合流点、ヤチダモの根が片足を突っ込んだあのカーブ、雪解けに暴れるあの支流、胡桃の葉の黄色が川を流れる季節。。。
そのどれも、僕の記憶と作者の記憶が完全に繋がっていると
勘違いできるお話でいっぱいです。

そして、物語の中で、天塩川(のことだと思う)が流れる様子を、むた・むた・むた・
と、描かれているのを読んで以来、僕のなかで天塩川の音は、むた・むた・むた・・・
ということにぴったりと決まりました。
上流や、瀬が唸っている場所では、もちろんもっと激しい音なんだけども、
川全体の性格を表現するときやっぱり、むた・むた・むた・・・がしっくり来ます。

天塩川、釧路川、十勝川、渚滑川、湧別川、歴舟川、美々川、天ノ川、、、、etc
川にはそれぞれの性格や、年齢、色や特性があると感じてしまいます。
そしてその川のカラーをピピッっと感じ取ることが、
川のガイドに必要な嗅覚なんじゃないかなあと、思ったりもするわけです。


















 〈あーんな川や、こーんな川。北海道の川は豊かだ〉



















ハツラツとしたザーザーザーでもなく、淀んでしまったトロトロトロでもなく、
涼やかなサラサラサラでもなく、威圧的なゴウゴウゴウでもなく、
むた・むた・むた。
こんど、天塩川を下りにきたら、川の音を聞いてみてください。
僕には、むた・むた・むた。と、聞こえます。

リョータ

2013年8月22日木曜日

増水の川。北へ向かう川で想うコト。

今週は、虹をたらふく見ました。
毎日やってくる夕立と大雨に、
川もカフェオレ状態。














近々、予定しているキャンプツアー。
増水やらなにやら、いろんな状況の変化があったので、
改めて下見、の1日。

多少増水気味のほうが、好きかもしれない、天塩川。
でっかい空に突き出した、針葉樹林の山を縫って、
川幅いっぱいの濁り水をおし流してる様子。
この風景が、まだ見ぬ憧れのシベリアの、アラスカの川を連想させ、
僕の北方志向を刺激するからかもしれません。
















めまぐるしい天気にカッパもしまうヒマなし。



















〈カッパを着る。着ては、脱ぐ。脱いでは、着る。着ては、脱ぐ。〉

夏だし、面倒だし、そのまま雨に濡れちゃうか!?って、ふうにもなるんですが、
北方の川の旅は、適度な水との距離がダイジ。な、気がするので、マメに脱ぎ着する。

音威子府を過ぎると、川は唐突に渓谷の中へ。
神路渓谷。















僕は、風の神様の道。のように思う。
この谷で時折恐ろしいほどに吹く、風。
風はカヌーにとって天敵だから、
カヌー乗りは風に敏感になる。

この谷あいの集落で暮らし、樹々のメッセージを
刻んだ、彫刻家「砂澤ビッキ」。
 風よ
お前は四頭四脚の獣
お前は凶暴なだけに
人間達はお前の中間のひとときを愛する
それを四季という
願はくば俺に最も
激しい風を全身に
そして眼にふきつけてくれ

風よお前は
四頭四脚なのだから
四脚の素敵な
ズボンを贈りたいと
思っている
そうして一度抱いてくれぬか

砂澤ビッキ

渓谷の中の斜面にへばりつく、ねじれたエゾ松の老木が、

この地の厳しさを物語っています。
たびたびこの風の谷を訪れ、河原に寝泊りしていると
なんでビッキ氏がここに魅せられここを選んだのかを
なんとなく感じる気がします。

今日の川旅はここまで。
川は北へとまだまだ続きます。
このまま流れれば、北の大陸まで行けちゃいそうな、
そんな気がした増水の川でした。
リョータ

2013年8月19日月曜日

岩盤浪漫

天塩川の語源。
アイヌ語で「テッシ・オ・ペツ」→「簗(やな)・多い・川」
と、言われている。

こういった簗状の岩盤が川幅いっぱい横断している場所がたくさんある。




















簗の名の通り、この白いあぶくの下に魚たちが潜んでいるのか??
と、、、竿を振って。

お~っと、ひっくり返らないように。もうちょい右!そのまままっすぐっ!
と、、、カヌーを漕いで。

「テッシ」は釣りには見逃せないポイントになり、
川下りには、難所に、そしてハイライトになったりする。

テッシにまつわるロマンとドラマ。



















現在増水中!テッシは水の底へ。。。
リョータ

2013年8月17日土曜日

醤油色の清流

圧倒的な自然大きさ。途方も無い自然の奥深さを。。。
山男は深山や高山で、、、
シーマンは遥か洋上で、
感じるもんなんでしょうか?

僕は川を下る、川の人間。
僕の場合は、途方も無い自然の奥行きを、
「湿原の川」を下るときに感じたりします。

なんかあったら、出て来れないカモ、、、
ていう 、人里からの距離感や。
湿地という、なんとも人間が住みづらそうな感、のせいでしょうか。














川を下る、という術が僕に備わってなければ、
たぶん、この大湿原に立ち入ることはできないでしょう。
















湿原の川は空をよく映します。
なぜかというと水が、黒いから。
光が透けずに反射してしまいます。
濁ってる訳ではなくて、すーっと透き通った透明な黒なんです。
湿原特有の成分が染み出てきて、醤油のような、コーヒーのような色に川を染めます。

川底が透けて見える青い清流もあれば、黒い清流もある。
すいーこ、すいーこ。。。
雲を漕ぐ気持ちよさ。

「♪浮雲~男ぉ~♪」と、エレファントカシマを
口ずさみながら
空中散歩を楽しみましたとさ!

リョータ

2013年8月10日土曜日

ひと雨。

久しぶりに優しさの雨。
一日シトシト降りつづきました。
恵みの雨。
川も大地も身体も魚も、おかげさまでリセットされました。

夏になってから、カンカン照り続き。で、たま~に夕立で土砂降り。
の極端なパターンでした。

今まで道東に住んでいたから、
降りだしたら止まな~い長雨に晴れを待ち望んだりもしました。

こっちに来てからそれが逆転。
最近は「一雨ほしいな~。」が口癖になっていました。

どちらかが都合イイというわけではないけど、
雨と晴れ。陰と陽。表と裏は、
その土地土地や、受け入れるヒトの気持ちで
こうも変わるもんですね。

久々にほっとする雨でした。




リョータ

2013年8月7日水曜日

特化。ドリフトボートの完成!

一足先に日本に到着していたコイツも、ボートが届くのを今か今かとまっていた。
アルミ製のフレーム&シート。

これを組み上げて、ラフトボートに固定する。
いや、搭載する。といったほうがしっくりくる、ゴッツい感とメタリック感。

日本では取り扱いのない道具なので、
これを、アメリカのメーカーから取り寄せるのに苦労した。
翻訳サイトと、高校の時に持ってただけの、折り目一つもないピカピカの辞書を
駆使してこさえたツギハギだらけの英文で、よくまー契約できたもんだ。

私は真ん中のシートに座りオールを漕ぐ。
前後についた回転自由なシートに座ったゲストは、流れの中で快適に竿を振れる、、、
というスンポーだ。
とにかく、「釣りながら、川を下る」に特化した水上の乗り物の完成だ!
こういうボートを海外では『ドリフトボート』 というらしい。

カヌーと大きく違うところは、「オールで漕ぐ」ということ。
2本のオールを公園ボートのようにして漕ぐ。

が、、、しかし。
今までカヌーやラフトボート「一本のパドルで漕ぐ」乗り物は扱ってきた。
けども、オールを扱うことにかけては
始めてと言っても差し支えないほどの、
ズブの素人 !
ましてやドリフトボートを見るも触るも今年が初めての状態。。。

おいおい、だいじょーぶかいなっ!?というツッコミが聞こえてきそうだ。
よくまー、そんな道具を買ってしまったもんだな。

でもいいんだ。これは新しい挑戦なんだから。
いっそスガスガシイほどの初心でやりましょ。
そして一つ一つ必要なことを身につけていこう。
自分の技術に過信してるよりよっぽどイイってもんだ!

川を下る。川をガイドする。という基本の部分は道具が変わっても
きっと変わらないだろう。

いちばん大事なことは、敬意を持って自然に接することと、ゲストを大切に想うこと。
これを忘れずに日々精進していきましょう!


リョータ




2013年8月2日金曜日

相棒の到着















かねてから注文していた、ボートがやっと届きました。
トラブルもあったものの、海を越えて無事我が家の一員になりました。

よし、 天塩川に行こう!
と決めたとき、若干の見切り発車で発注したボートです。
このボートで「魚を巡る川の旅」という、僕にとって新しいカタチのガイドスタイル
に挑戦しようと思ったのです。
わかりやすく言うと、川下りをしながら釣りができる川の旅です。
魚の目線での川下り、流れと一体になって魚と戯れる。
川と魚を通して見つめる世界は、感動と発見でいっぱいだと僕は思うのです。
あ、長くなりそうなのでその辺はまたの機会に書きます。

これから、たくさんの人の夢と笑顔を運んでくれるであろう、
頼もしい相棒です。
いくつもの瀬を越えて。鏡のような水面を割って。大河を漂う流木のように。
時に向かい風に耐えて。
この船でたくさんの出会いが生まれることが楽しみです!

リョ-タ

2013年7月27日土曜日

はじまり、はじまり。

2013年5月、なごり雪というにはあんまりに遅く、あまりに本格的な吹雪のなか、
僕たち家族は新しい土地にやってきました。

僕と、妻、1歳の娘の3人家族。
去年、脂汗をかく決断の末に思い切って買ったばっかりの
既に地球4周以上走ったおじいさんハイエース。
一丁前にも増えすぎた荷物をレンタカーのトラックに詰めて、
みるみる積もる雪のなか峠を三つ越えて、
降り立ったのは北海道の北、美深という町。

ここには、日本の最北に向かって流れる大河、「天塩川」が流れています。

ごちゃごちゃに書き込んだ川の情報や、水濡れで道だかシワだか判別不能になった、
ガソリンスタンド“ホクレン”でもらった北海道マップ。道北ページを指差しながら、
「よし!ここにしよう。」
と、決めたのはこの冬のこと。

これまで8シーズン過ごした大好きな道東の土地と、
自然の中をガイドすること、豊かに暮らすことを教えてもらった気持ちのいい人たちと離れ、
この川でこの土地で人と自然を繋ぐ「ガイド」という生き方がしたくてやって来ました。

現在準備中のガイド業のこと、この地での暮らしのこと、日々の発見や挑戦を
書いていきます。
ゆっくりかもしれませんが、私たちの日々の歩みをどうぞのぞきに来てください!














リョータ