毎日やってくる夕立と大雨に、
川もカフェオレ状態。
近々、予定しているキャンプツアー。
増水やらなにやら、いろんな状況の変化があったので、
改めて下見、の1日。
多少増水気味のほうが、好きかもしれない、天塩川。
でっかい空に突き出した、針葉樹林の山を縫って、
川幅いっぱいの濁り水をおし流してる様子。
この風景が、まだ見ぬ憧れのシベリアの、アラスカの川を連想させ、
僕の北方志向を刺激するからかもしれません。
めまぐるしい天気にカッパもしまうヒマなし。
〈カッパを着る。着ては、脱ぐ。脱いでは、着る。着ては、脱ぐ。〉
夏だし、面倒だし、そのまま雨に濡れちゃうか!?って、ふうにもなるんですが、
北方の川の旅は、適度な水との距離がダイジ。な、気がするので、マメに脱ぎ着する。
音威子府を過ぎると、川は唐突に渓谷の中へ。
神路渓谷。
僕は、風の神様の道。のように思う。
この谷で時折恐ろしいほどに吹く、風。
風はカヌーにとって天敵だから、
カヌー乗りは風に敏感になる。
この谷あいの集落で暮らし、樹々のメッセージを
刻んだ、彫刻家「砂澤ビッキ」。
風よ
お前は四頭四脚の獣
お前は凶暴なだけに
人間達はお前の中間のひとときを愛する
それを四季という
願はくば俺に最も
激しい風を全身に
そして眼にふきつけてくれ
風よお前は
四頭四脚なのだから
四脚の素敵な
ズボンを贈りたいと
思っている
そうして一度抱いてくれぬか
砂澤ビッキ
渓谷の中の斜面にへばりつく、ねじれたエゾ松の老木が、
この地の厳しさを物語っています。
たびたびこの風の谷を訪れ、河原に寝泊りしていると
なんでビッキ氏がここに魅せられここを選んだのかを
なんとなく感じる気がします。
今日の川旅はここまで。
川は北へとまだまだ続きます。
このまま流れれば、北の大陸まで行けちゃいそうな、
そんな気がした増水の川でした。
リョータ